以前ちょこっとヒラリーとオバマのディベートについての感想をここに書いたけど、基本的に天空の聖域同然の、米大統領の席の話なんか僕にとってはどうでもいい話で、情報なんてほとんど集めてなかった。
本選突入と同時に途端にどうでもいい金持ちの代弁者どもの争いになる大統領戦。それで予備戦段階ではそれなりに僕の興味を引く人物が上がってくる。
ロン・ポールは面白い。共和党候補のなかでは一番輝いている。公約もユニークだ。だが、彼の言うような排外主義社会なんてのは楽しくない。
デニス・クシニッチとかラルフ・ネーダーはおもしろい。でも、彼らではそれでも退屈だ。だって、クシニッチは脱落したしネーダーも勝ち目がないし、あくまでも政治的なのだ。
それ以前にアメリカの政治制度を僕は支持できない、というわけで無視してた。
1年遅れでこの人の情報を得るまで。
異色のド根性大統領候補:マイク・グラベル

写真:怒りをぶつけるマイク・グラベル リバータリアン党大統領候補。この写真だとドナルド・ラムズフェルドと見間違えそうだ
このマイクじいさん。ひょんなことからディベート番組に呼ばれて一時大変な話題を呼んだそうでご存じの方もいるでしょうが、ほかの比較的庶民派候補以上に、この人の勝ち目は万に一つもない。おまけに2007年9月以降、大手テレビ局は彼をディベートに招待するのをやめた。
だが彼のパフォーマンスは僕の頭に張り付いて離れない。僕はこのじいさんが好きなのだ。
目玉に$や現実主義という文字が焼き付いている人間以外を見ることができないはずの米の大統領戦で、脅迫や村八分、暗殺の恐怖を恐れず公然と怒り狂うこのじいさんが好きなのだ。いや、だれだって好きなはずだ。
アメリカの資本主義、世界の資本主義、さまざまな権威、権力、ロビイストたちの顔色にあまり敬意を払わない候補は他にもいる。また、大統領候補ではないがバーナード・サンダースのような跳ねっ返りが上院議員になれちゃったりするのがアメリカという国。探せば反骨精神にあふれるドン・キホーテ議員はいっぱい見つかるだろう。
だけどここまで無謀で、貧乏(というか金欠)で、ここまで万人を尊重する姿勢だけで爆走する元上院議員の大統領候補、つまりエリートは見たことがない。こんな路上で訴える抗議行動者のような人を米の大統領戦で見ることができる日が来るなんて想像もできなかった。
選挙戦略というより単純に金がないようで、ディベートや遊説には格安の長距離バスと電車で駆けつけ、宿泊は格安のモーテル。散髪には奮発して30ドル費やすと自称するマイクじいさん。クシニッチ候補もディベートに電車できたといってたが。
この人の経歴にもまた驚かされるばかりだ。
ベトナム戦争を止めさせるために勝手に夜中にひとり公聴会を開いて7000ページもある機密文書のうちの4100ページを全部朗読してだれでも読める公文書にしてしまったとか、徴兵制廃止のために議会でひとりで5カ月粘ったとか、とにかく理想とDIY精神を燃料がわりに機敏に抵抗する人のようだ。とにかく主張が、CPE法案の提出を機にフランス中至るところを占拠し解放しまくった民衆のように、限りなく左のさらに向こうに突き抜けている。詳しくはさきほど提示したリンク先で読めます。
Wikipediaによると、もともと彼は直接民主主義の啓蒙のために負け戦確定の大統領戦に出ると決めたということがわかる。
とはいえ、大統領候補として半分出来レースの選挙に出ている以上、政策は掲げている。
さて、彼の宣言している政策とはなんなのだろうか?
全部載せると長すぎるので、僕の独断で興味深い部分だけ。
税金:
所得税及び各種直接税、そしてIRS(国税庁)の廃止。直接税さえ取らなければ国税庁は不要という話。
ロンポールやクシニッチも同様の提案をしていた(ロンポールは現在進行型)。
これだけだと合衆国は崩壊してしまうので、代わりに新たに生産された製品やサービスに対して19ー23%の累進消費税を課税。
これだけだと貧困層も金持ちと同等の負担に苦しむことになってしまうので、生活必需品を購入するための埋め合わせとして貧困レベルに応じた税金の事前払戻しをする。マイクじいさんは、これによって貧困ラインを下回る標準的な3人家族は年に3000ドルを受け取るだろうとしている。
国税庁廃止するのはいいとして税金の事前払戻しや消費税の回収はどうするのだろうか?まさか怒れるマイクじいさんが自ら企業に取り立てに行くのか??
まるでタックスヘイブンのような税制だが、19ー23%の消費税ですべての歳出をまかなえるのだろうか?
健康保険:
マイクじいさんは、アメリカを破産させようとしている大きな原因のひとつは金のかかりすぎる医療及び医療テクノロジーにあるという。
そこで、ヒラリーと同じく国民皆保険の導入を訴えている。財源は消費税から充てられる(そもそもどうやらほとんど唯一の財源が消費税のようなんだが)。
またバウチャー制の導入によって、自由に医師を選べるようにすることも提案している。僕の知識不足のせいで意味が分からないけど。
環境:
炭素税を導入し、収益は温室ガス排出を大きく減らすことのできる代替エネルギーの国際的な開発研究に投入する。
化石燃料依存からの脱却
京都義弟書への即時署名。
原発の新規建設には反対。
外交:
じいさんは帝国主義からの脱却を訴えている。たぶんこの人はマジだ。
イラクからの全軍即時撤退は当然のこと、イランに対する敵対も解消させる。のみならず、これまで自分たちのことを棚に上げて北朝鮮やキューバなどを悪の枢軸呼ばわりしていたことをやめる提言をしている。
イスラエルに関してはどちらも共存できるような政策を訴えている。
イスラエルとパレスチナそしてハマスとの間の交渉を支援すること、パレスチナがイスラエルの隣国として存続できるよう支援すること、イスラエルと将来のパレスチナ国家の国境にDMZ(非武装地帯)の設定を保証すること、パレスチナ国家の経済水準がイスラエルと同等になるように支援すること。
実現させようとしたらアメリカの親イスラエル右派たちによって暗殺されるのは確実だ。
先制核攻撃は決してしない。現在1万発以上所有している核兵器を数百発まで削減する。
数百発まで減らして、そこからは世界の核兵器の廃絶と歩調を合わせるというはなしなのかもしれないが。
ヒロシマ、ナガサキ、その他の地域で核兵器廃絶のために活動している人たちは、この大統領候補をどう捉えているのだろうか?
公式にはこんなものだけど、彼の発言を知る限り、個人的に彼は核兵器廃絶や米軍の大幅縮小すら考えているかもしれないと予想してる。
なにせ外国人抑留者への拷問禁止法の制定を訴え、グアンタナモは収容されている人たちを全員開放した後、爆破して破棄するとかいってるんだから。
グラベルの影響力は小さいので無視されてるも同然だが、仮に間違って大統領になった日には恐ろしいほどの批判、恐喝、レッテル、暴力に見舞われるのは間違いない。
姓差別、同性愛など:
同性愛者の完全な市民権の獲得、同性愛結婚の承認、および同性愛者への差別的暴力行為の禁止。あらゆる性別の人たち同性愛者へのあらゆる差別の排除。
麻薬問題:
コカインやメタムフェタミン(日本名:ヒロポン(笑))などのドラッグの合法化して規制。乱用問題は犯罪問題としてではなく、医療問題として扱う。これらの変化によって乱用者、中毒者を可視化し、刑務所に入れて放ったらかしにするのではなく、医学的に適切な治療へと導くことができる。
"麻薬撲滅"のスローガンと弾圧より、経度の薬物犯罪(違反)を合法化し、中毒者への発見、治療可能性高める。
マリファナの合法化。あんたはポゴ党の党首か(笑)
ことドラッグの話となると、一段とアナーキーなアロマを放つこのじいさんが僕はたまらなく好きだ。じいさん、もし僕があんたにインタビューできる機会があっても青春時代にアラスカで何があったのかは聞かないでおくことにするよ。
中絶問題:
女性の中絶する権利を認める。
不法移民とNAFTA:
現在行われているような、違法移民の無差別で見境のない強制送還はやめ、かわりに彼ら/彼女のような違法移民が合法的に米国に滞在できるようにするため"一時労働者プログラム"を提唱。
国境沿いに建設されている壁に反対。
NAFTAはアメリカ、メキシコ双方の労働者にとって破壊的であり、またこれこそが多くのメキシコ人がわざわざ危険を侵して遠くアメリカで働かなければいけなくなっている主な元凶であると主張。NAFTAおよび不公平な貿易制度に代わる根本的に新しい構造が必要。
ヘイじいさん、あんたはひょっとしてアメリカという国家を解体しようとしていないか?
マイクじいさんは革命的だ。だが、民主社会のためには革命は虐げられる立場の民衆がみんなでやるものだ。
しかし、腐れたアメリカ政治、根本的にみんなでやれるようにできていない議会性民主制の枠内に縛られた範囲内では十分革命的だ。政治家としての彼の発言に僕は自分が21世紀の住人であることを忘れてしまいそうだ。怒りを込めてラップを歌ってしまうのも彼の粋なところだ。
選挙にはめったに行かないんだが、せっかくだから俺はあんたに投票するぜ。僕が米国籍を手に入れるまでフィリバスターで粘るんだ、マイク!
さて、次回までには日本で好きに慣れる政治家を見つけたいものですな。
本選突入と同時に途端にどうでもいい金持ちの代弁者どもの争いになる大統領戦。それで予備戦段階ではそれなりに僕の興味を引く人物が上がってくる。
ロン・ポールは面白い。共和党候補のなかでは一番輝いている。公約もユニークだ。だが、彼の言うような排外主義社会なんてのは楽しくない。
デニス・クシニッチとかラルフ・ネーダーはおもしろい。でも、彼らではそれでも退屈だ。だって、クシニッチは脱落したしネーダーも勝ち目がないし、あくまでも政治的なのだ。
それ以前にアメリカの政治制度を僕は支持できない、というわけで無視してた。
1年遅れでこの人の情報を得るまで。
異色のド根性大統領候補:マイク・グラベル

写真:怒りをぶつけるマイク・グラベル リバータリアン党大統領候補。この写真だとドナルド・ラムズフェルドと見間違えそうだ
このマイクじいさん。ひょんなことからディベート番組に呼ばれて一時大変な話題を呼んだそうでご存じの方もいるでしょうが、ほかの比較的庶民派候補以上に、この人の勝ち目は万に一つもない。おまけに2007年9月以降、大手テレビ局は彼をディベートに招待するのをやめた。
だが彼のパフォーマンスは僕の頭に張り付いて離れない。僕はこのじいさんが好きなのだ。
目玉に$や現実主義という文字が焼き付いている人間以外を見ることができないはずの米の大統領戦で、脅迫や村八分、暗殺の恐怖を恐れず公然と怒り狂うこのじいさんが好きなのだ。いや、だれだって好きなはずだ。
アメリカの資本主義、世界の資本主義、さまざまな権威、権力、ロビイストたちの顔色にあまり敬意を払わない候補は他にもいる。また、大統領候補ではないがバーナード・サンダースのような跳ねっ返りが上院議員になれちゃったりするのがアメリカという国。探せば反骨精神にあふれるドン・キホーテ議員はいっぱい見つかるだろう。
だけどここまで無謀で、貧乏(というか金欠)で、ここまで万人を尊重する姿勢だけで爆走する元上院議員の大統領候補、つまりエリートは見たことがない。こんな路上で訴える抗議行動者のような人を米の大統領戦で見ることができる日が来るなんて想像もできなかった。
選挙戦略というより単純に金がないようで、ディベートや遊説には格安の長距離バスと電車で駆けつけ、宿泊は格安のモーテル。散髪には奮発して30ドル費やすと自称するマイクじいさん。クシニッチ候補もディベートに電車できたといってたが。
この人の経歴にもまた驚かされるばかりだ。
ベトナム戦争を止めさせるために勝手に夜中にひとり公聴会を開いて7000ページもある機密文書のうちの4100ページを全部朗読してだれでも読める公文書にしてしまったとか、徴兵制廃止のために議会でひとりで5カ月粘ったとか、とにかく理想とDIY精神を燃料がわりに機敏に抵抗する人のようだ。とにかく主張が、CPE法案の提出を機にフランス中至るところを占拠し解放しまくった民衆のように、限りなく左のさらに向こうに突き抜けている。詳しくはさきほど提示したリンク先で読めます。
Wikipediaによると、もともと彼は直接民主主義の啓蒙のために負け戦確定の大統領戦に出ると決めたということがわかる。
とはいえ、大統領候補として半分出来レースの選挙に出ている以上、政策は掲げている。
さて、彼の宣言している政策とはなんなのだろうか?
全部載せると長すぎるので、僕の独断で興味深い部分だけ。
税金:
所得税及び各種直接税、そしてIRS(国税庁)の廃止。直接税さえ取らなければ国税庁は不要という話。
ロンポールやクシニッチも同様の提案をしていた(ロンポールは現在進行型)。
これだけだと合衆国は崩壊してしまうので、代わりに新たに生産された製品やサービスに対して19ー23%の累進消費税を課税。
これだけだと貧困層も金持ちと同等の負担に苦しむことになってしまうので、生活必需品を購入するための埋め合わせとして貧困レベルに応じた税金の事前払戻しをする。マイクじいさんは、これによって貧困ラインを下回る標準的な3人家族は年に3000ドルを受け取るだろうとしている。
国税庁廃止するのはいいとして税金の事前払戻しや消費税の回収はどうするのだろうか?まさか怒れるマイクじいさんが自ら企業に取り立てに行くのか??
まるでタックスヘイブンのような税制だが、19ー23%の消費税ですべての歳出をまかなえるのだろうか?
健康保険:
マイクじいさんは、アメリカを破産させようとしている大きな原因のひとつは金のかかりすぎる医療及び医療テクノロジーにあるという。
そこで、ヒラリーと同じく国民皆保険の導入を訴えている。財源は消費税から充てられる(そもそもどうやらほとんど唯一の財源が消費税のようなんだが)。
またバウチャー制の導入によって、自由に医師を選べるようにすることも提案している。僕の知識不足のせいで意味が分からないけど。
環境:
炭素税を導入し、収益は温室ガス排出を大きく減らすことのできる代替エネルギーの国際的な開発研究に投入する。
化石燃料依存からの脱却
京都義弟書への即時署名。
原発の新規建設には反対。
外交:
じいさんは帝国主義からの脱却を訴えている。たぶんこの人はマジだ。
イラクからの全軍即時撤退は当然のこと、イランに対する敵対も解消させる。のみならず、これまで自分たちのことを棚に上げて北朝鮮やキューバなどを悪の枢軸呼ばわりしていたことをやめる提言をしている。
イスラエルに関してはどちらも共存できるような政策を訴えている。
イスラエルとパレスチナそしてハマスとの間の交渉を支援すること、パレスチナがイスラエルの隣国として存続できるよう支援すること、イスラエルと将来のパレスチナ国家の国境にDMZ(非武装地帯)の設定を保証すること、パレスチナ国家の経済水準がイスラエルと同等になるように支援すること。
実現させようとしたらアメリカの親イスラエル右派たちによって暗殺されるのは確実だ。
先制核攻撃は決してしない。現在1万発以上所有している核兵器を数百発まで削減する。
数百発まで減らして、そこからは世界の核兵器の廃絶と歩調を合わせるというはなしなのかもしれないが。
ヒロシマ、ナガサキ、その他の地域で核兵器廃絶のために活動している人たちは、この大統領候補をどう捉えているのだろうか?
公式にはこんなものだけど、彼の発言を知る限り、個人的に彼は核兵器廃絶や米軍の大幅縮小すら考えているかもしれないと予想してる。
なにせ外国人抑留者への拷問禁止法の制定を訴え、グアンタナモは収容されている人たちを全員開放した後、爆破して破棄するとかいってるんだから。
グラベルの影響力は小さいので無視されてるも同然だが、仮に間違って大統領になった日には恐ろしいほどの批判、恐喝、レッテル、暴力に見舞われるのは間違いない。
姓差別、同性愛など:
同性愛者の完全な市民権の獲得、同性愛結婚の承認、および同性愛者への差別的暴力行為の禁止。あらゆる性別の人たち同性愛者へのあらゆる差別の排除。
麻薬問題:
コカインやメタムフェタミン(日本名:ヒロポン(笑))などのドラッグの合法化して規制。乱用問題は犯罪問題としてではなく、医療問題として扱う。これらの変化によって乱用者、中毒者を可視化し、刑務所に入れて放ったらかしにするのではなく、医学的に適切な治療へと導くことができる。
"麻薬撲滅"のスローガンと弾圧より、経度の薬物犯罪(違反)を合法化し、中毒者への発見、治療可能性高める。
マリファナの合法化。あんたはポゴ党の党首か(笑)
ことドラッグの話となると、一段とアナーキーなアロマを放つこのじいさんが僕はたまらなく好きだ。じいさん、もし僕があんたにインタビューできる機会があっても青春時代にアラスカで何があったのかは聞かないでおくことにするよ。
中絶問題:
女性の中絶する権利を認める。
不法移民とNAFTA:
現在行われているような、違法移民の無差別で見境のない強制送還はやめ、かわりに彼ら/彼女のような違法移民が合法的に米国に滞在できるようにするため"一時労働者プログラム"を提唱。
国境沿いに建設されている壁に反対。
NAFTAはアメリカ、メキシコ双方の労働者にとって破壊的であり、またこれこそが多くのメキシコ人がわざわざ危険を侵して遠くアメリカで働かなければいけなくなっている主な元凶であると主張。NAFTAおよび不公平な貿易制度に代わる根本的に新しい構造が必要。
ヘイじいさん、あんたはひょっとしてアメリカという国家を解体しようとしていないか?
マイクじいさんは革命的だ。だが、民主社会のためには革命は虐げられる立場の民衆がみんなでやるものだ。
しかし、腐れたアメリカ政治、根本的にみんなでやれるようにできていない議会性民主制の枠内に縛られた範囲内では十分革命的だ。政治家としての彼の発言に僕は自分が21世紀の住人であることを忘れてしまいそうだ。怒りを込めてラップを歌ってしまうのも彼の粋なところだ。
選挙にはめったに行かないんだが、せっかくだから俺はあんたに投票するぜ。僕が米国籍を手に入れるまでフィリバスターで粘るんだ、マイク!
さて、次回までには日本で好きに慣れる政治家を見つけたいものですな。
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